■ 主要100疾患を250点のエコー像と豊富なイラストで解説.
■ 超音波検査のチェックポイントや,注意点も詳しく記載.
■ 小児エコーで悩んでいるポイントがすべてわかる.小児科医,検査士必携の一冊.
■ 写真252点 図版372点
小児の超音波検査に関わることになり18年が過ぎた.当時は超音波診断装置の分解能も現在の装置とは比較にならないほど悪く,教科書もほとんどなかった.そのなかで初めて経験した小児の疾患は,確か総胆管拡張症であったと記憶している.それから今日に至るまで検査に携わり多くの症例を経験し,縁あって本書を刊行させていただくこととなった.
本書は頭部および循環器を除いた小児超音波診断に関して,日常経験する頻度の高いものから比較的稀な症例まで幅広く取り上げている.執筆にあたっては,時間をかけて習得した技術と気持ちを込めて撮った写真を少しでもわかりやすく,見やすくまとめることを一番の目標とした.症例写真は可能な限り最新の超音波診断装置で撮影した画像とし,検査方法やコツ,経験上の注意点を踏まえた解説を簡潔にまとめるよう心掛けた.まだまだ勉強が必要で未熟でもあり,本書の内容にも至らぬ点など多々あろうかと思う.読者の皆様にご指導をいただければ幸いである.
今回本書を刊行することができたのも,超音波検査に深い関心と理解をもっておられる当院放射線科,小児外科,小児科の医師がいつも傍にいてあたたかいご指導をいただいたからにほかならない.執筆にあたり,初学時より手取り足取りご指導いただいた放射線部中川義明前技師長および日頃から臨床に関して多大なご援助とご指導をいただいております小児外科学教室中田幸之介教授,ならびに放射線医学教室中島康雄教授に深甚なる感謝の意を表しますとともに,平素のご指導に加え推薦文をお寄せいただいた辻本文雄超音波センター長に深謝いたします.また,執筆の段取りを整えてくださった超音波センター永江学副センター長,ご協力いただいた超音波センターの皆様に感謝いたします.
本書がこどもたちの病気の発見,治療に少しでも役立てば望外の喜びであります.
第1章 小児超音波検査の基本
▶ 小児超音波検査の特徴と注意点
▶ フォーカスポイントのちがいによる画質の変化
▶ 前処置と診断機器
▶ 周波数のちがいによる画質の変化
▶ プローブ(探触子)の走査法
第2章 小児超音波検査各論
■肝臓
▶ 小児肝臓の走査法と基本画像
▶ 小児肝臓検査のチェックポイント
脂肪肝
糖原病
新生児肝炎
急性肝炎
劇症肝炎
ウィルソン病
門脈閉鎖
胆汁性嚢胞
肝損傷
肝血管内皮腫
肝芽腫
■胆嚢・胆道
▶ 小児胆嚢・胆道の走査法と基本画像
▶ 小児胆嚢・胆道系検査のチェックポイント
□胆嚢
胆泥
胆嚢結石
胆嚢炎
胆嚢腫大(川崎病による)
胆嚢捻転症
□胆管
先天性胆道拡張症
胆道閉鎖症
■膵臓
▶ 小児膵臓の走査法と基本画像
▶ 小児膵臓検査のチェックポイント
急性膵炎
膵solid cystic tumor
膵悪性リンパ腫
■脾臓
▶ 小児脾臓の走査法と基本画像
▶小児脾臓検査のチェックポイント
多脾症候群
無脾症候群
脾損傷
脾リンパ管腫
■腎臓
▶ 小児腎臓の走査法と基本画像
▶ 小児腎臓検査のチェックポイント
腎結石
腎石灰化症
水腎症
馬蹄腎
急性腎不全
重複腎盂
腎盂尿管移行部狭窄
腎血腫(腎生検後)
ナットクラッカー現象
多嚢胞性異形成腎
腎嚢胞
腎血管筋脂肪腫
腎芽腫
腎明細胞肉腫
■副腎
▶ 小児副腎の走査法と基本画像
▶ 小児副腎検査のチェックポイント
新生児副腎出血
神経芽腫
■膀胱
▶ 小児膀胱の走査法と基本画像
▶ 小児膀胱検査のチェックポイント
□尿管・膀胱
膀胱尿管逆流症
尿管異所性開口
尿管瘤
尿膜管遺残
□前立腺
前立腺横紋筋肉腫
□精嚢腺
精嚢腺嚢胞